日ノ上台遺跡は、栃木県大田原市に水源を持つ押川の流域にある遺跡の一つで、時期は縄文時代中期に属し、河岸段丘上に立地しています。
昭和38年、この遺跡から硬玉(翡翠)製大珠(だいじゅ)が発見されました。この大珠は鰹節形をし、全長9.1センチメートル、断面は偏平卵形、厚さは2.5センチメートル、穿孔は中央よりやや上部に0.9センチメートルの径で一方から穿られているものです。硬玉製大珠は、縄文文化期にみられる各種装身具のなかでも逸品とされていますが、この石材は本県内では産出しません。硬玉は、新潟県西頸城(くびき)地方の姫川上流の小滝川・青梅川に算出するものです。この硬玉製大珠がどのようにして、日ノ上台遺跡に運ばれたのか分かっていません。
地図を見る:日ノ上台遺跡
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