山門は、三間一戸の二重門です。柱は、欅丸柱12本で、柱と柱を頭貫(かしらぬき)で結び、斗拱(ときょう)を組んでいます。二階には、高欄付きの回縁(まわりえん)があります。屋根は、入母屋造で銅板葺です。
束勝山長福寺は、現在曹洞宗ですが、もとは律宗の寺で、長元2年(1029)、梅閑律師が長福山に創建したと伝えられています。寺伝によると、その後、文明元年(1469)に佐竹氏同族の館城主小川和泉守義房が、常陸太田市の耕山寺から大通詮甫を招いて改宗し、翌2年(1470)、寺を館城郭内に移しました。さらに、永正3年(1506)、二世亀山香馨の代に小川義勝と議って、現在の宮平の地に移したといわれています。本尊は、十一面観音で、改宗前の本尊が引き継がれたものと思われます。
長福寺は、安永6年(1777)正月の火災で全堂を焼失しました。本堂の再建は6年後の天明3年(1783)、山門はそれから20年余り後の享和〜文化年間に新築されたものといわれています。山門は従来茅葺きでしたが、大正8年(1919)に瓦葺きに改修され、この工事を記念して梵鐘を鋳造したといいます。その後、昭和60年に銅板葺に改修されました。
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