珍しい塑造彩色の像で、像高53.5センチメートル。法衣に袈裟をまとい、両手で教珠をつまぐり、首に襟巻をのぞかせ、礼盤上に坐しています。銘文から延宝2年(1674)、徳川光圀による新堂宇建立とともに寄進されたことが分かります。やや頭部をうつむけた老相に如信晩年の姿をうかがうことができます。首の襟巻は、親鴛像に見られる特色で、親鴛の孫如信にも踏襲されたものと思われます。
この如信像を安置する法龍寺の地は、かつて正応2年(1289)に如信の門弟乗善房が草庵を結んだところであり、正安2年(1300)の如信遷化の地です。如信遷化の後、おそらくそこには乗善房の手により如信の廟宇が設けられていたと思われます。光圀はこれらを改修する形で新堂宇を建立し、如信像を寄進したと思われます。
法龍寺は、平成7年(1995)に如信上人御廟所として本堂が再建され、境内が整備されました。
如信の彫像は、県内では大洗町願入寺にある木像とこの法龍寺の塑造だけであり、大変貴重なものです。
地図を見る:塑造如信上人坐像
※別ウィンドウで地図が表示されます。