この涅槃図(ねはんず)は、永禄元年(1558)に荒蒔城主の荒蒔駿河守為秀、同氏豊後守實秀によって荒蒔氏の菩提寺である高徳寺へ寄進されたとの裏書があります。
中央金身の釈迦は、蓮台上に右手を手枕とし、右脇を下にして両膝を伸ばし横たわっています。足元には、老婆が両手で釈迦の両足に触れ、悲嘆にくれています。宝台周囲には、入滅を嘆く仏弟子や菩提、会衆、禽獣(きんじゅう)が配され、弟子たちの慟哭(どうこく)や獅子などの泣く姿には動きがありますが、全体に悲哀の相はやや穏やかであり、地方絵師の制作と考えられています。
絵画の大きさ 縦132.5センチメートル、横131.5センチメートル
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